美味しいノンアルを求めて。ババリア(Bavaria)
今日のノンアル。それは、まるでスタジオの片隅に転がっている、よく分からない国籍のフィギュアみたいな存在だった。
ババリア(Bavaria)。オランダ生まれ。けれど、なぜか沢の鶴が輸入しているようで、その違和感がちょっと可愛い。異国と日本の間でジャンプカットみたいに揺れている。
脱アル製法にありがちだが、BIC酒版で170円ぐらいだった。強気な価格設定だ。
期待して飲んでみたんだけど、うん、薄いわけじゃないのに、何かがスッと欠けている。キャンバスの中央だけぽっかり空白になっている感じ。筆を入れ忘れたのか、あえて残したのか、判断がつかない“空白”。
ただね、泡立ちだけは妙に本物っぽい。実物そっくりに作られたソフビの質感みたいに、ちゃんとビールらしい姿をしている。変な甘みもなく、妙な主張もしない。だから結局のところ、これはこれで“普通に美味い”という評価に落ち着くのかもしれない。
でも、口の中に残るこの“何か足りない感”。それもまた、喧騒の中での突然の静寂みたいで悪くないな、と思ってしまう。

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