飲まない生き方 ソバーキュリアス Sober Curious

最近、当ブログの記事はノンアルコール飲料についての内容が多い。というのも筆者はいま「あるライフスタイル」を模索している最中で、それを実現するためにノンアルコール飲料が必要なためだ。
リアルな筆者をご存知の方は、ボクは大酒飲みでランニングイベントのあとのビールかチューハイはマスト。帰宅する電車の中ではウィスキーのミニボトルを煽っているのを頻繁に見ているはずだ(Jim Beamのプラボトルは軽くて最高)。

UTMBシリーズに出場してからはすっかりランニングの情熱も冷めて走らなくなってしまった。土日は暇になったので昼から酒を飲んでいた。酒を飲むとその日の活動はそこで終わり。昼寝するぐらいしかやることはない。本も読まず、勉強することもなく、ギターは少し弾いたけどとにかく無駄な時間を過ごした。ほぼアル中だと自分では感じていた。

ある日、お出かけで外を歩いていた。足に力が入らずしらふにもかかわらず真っ直ぐ歩くことができなくなっていて、よく転んでいた。アルコールは筋肉を溶かすということを知ったのは最近になってからだ。食欲も落ちて体重は半年で10kg以上落ちた。これではイカンと断酒することにして色々と情報を漁っていたところ、ふと目についたのが「飲まない生き方 ソバーキュリアス Sober Curious」という本だ。
ソバーキュリアスとは「しらふ」であることを「興味を持とう」という緩い断酒(減酒?)で、酒を飲まないということに興味をもち、お酒との正しい付き合い方を実践しましょうという生活スタイル?提案?というもの。たまに宴会に出て自分が普段どうなっているのかを客観的に見たり、飲むことによって起こる弊害、飲まなくなって得られる利点などを興味を持って整理することにより、自然と酒の量が減るよというのがその中身。

自分はしらふであるとしたら、好きな勉強をしたりギターやウクレレ弾いたり、写真を撮りに出かけられる、自転車に乗ったり山を走ったりできる、健康でいられる、ということを利点とした。弊害はそれらができなくなること。利点や弊害を整理できたら、早速ソバーキュリアスなスタイルで生活を始めた。

酒を飲みたくなるのは仕方がない。でも「利点」を定義してあるのでそれを考えるととても飲む気にはなれない。飲まないことにより自分のレベルが上がるのであればそちらを選ぶ。

ただし、このライフスタイルでは酒を飲むことを許容する。正しい飲み方をすれば人を和ませ陽気にさせるし、どの程度飲むのが自分には適量なのかを「興味を持って」知ることができる。飲んでも良いときを知ることが、飲んではいけない時を知ることにつながる。従来の断酒のように強制的でも無いし、ヴェジタリアンのように宗教的でもない。

次の段階として、自分の飲んでもいい日というのを整理してみた。正月や近しい人の誕生日ぐらいは飲んでもいいだろうと。しかし量は適度にしましょうと。それを実践するために「ペニーグラス」を購入した。
ペニーグラスというのは「ひとなめグラス」というもので、30ml程度の液体が注げるおちょこみたいなグラスだ。元々は1ペニー分のアイスクリームを入れて売っていたようだ。これに大好きな高級ウイスキーを入れて舐めるように味わうのだ。少量なのでほとんど酔わないが、ウィスキーの香りと味は十分に堪能できる。それ以外はノンアルを飲んでいれば良いのだ。惰性で飲む酒ほど無駄なものはない。

ノンアルに飽きたらコーラでも炭酸水でも飲めば良い。ボクがハマっているのはノンカフェインのコーヒーだ。やはりカフェインも大量に摂取すると体に毒なので、たくさん飲みたいときは最初の2杯だけ良いコーヒーを飲み、あとはノンカフェインに切り替える。この辺の銘柄についてはおいおいまとめてブログにするつもりだ。

さて、このスタイルになってからは体の調子がいい。一日10kmとか歩いても苦にならない。自転車だって40kmとか平気で走り回っている。食べる量も増え体重がもとに戻りだした。GARMINで睡眠の状態を計測しているが良好な状態が続いている。血液検査で肝臓の状態がほぼ正常に戻った。以前は昼寝していた時間に勉強や読書ができて知識が増えると仕事も増えた(個人事業主なので体が資本)。ここぞという時は(控えめだが)酒は飲むので、飲めなくなって寂しいとかそういうこともない。いい事ずくめなのだ。これを一歩引いた目線で「興味を持って」知ることが大事なのだ。

このスタイルを読者の方々にオススメしたいわけではない。ただの流行りでもない。若い人たちの酒離れが顕著なのは自然とこの感覚を身に着けているからだろう。世界的な流れはソバーキュリアンを増やす方向なのは確かだ。

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