生サバを食いにいまがわ食堂へ

川崎に出たついでに、前から気になっていたごま鯖丼を食べに、いまがわ食堂に足を運んだ。

店の中はほどよく新しく、光が柔らかく回っていて、どこか旅先の昼下がりを思わせた。

カミさんと並んでカウンターに座ると、窓の向こうに銀柳街が見えた。どうやら何かイベントをやっているらしい。小さなざわめきと音楽が、二階の窓越しにゆるやかに漂ってくる。

やがて、僕の前にごま鯖丼が置かれた。

黒く光る醤油の中で、鯖の身がつややかに沈んでいる。箸を入れて一口食べると、九州の甘い醤油が鯖の脂に溶け込み、まるで最初からそうなることが決まっていたかのような顔をして舌の上に広がった。

生の鯖を食べるのは、僕にとって初めての経験だった。でも、それは案外すんなりと、しかも嬉しい方向に受け入れられた。

カミさんが頼んだアジフライもいい。衣はカリッとしていて、噛むと中からやわらかな白身があらわれ、油と魚の甘さがふっと混じる。

メニューを見返すと、まだまだ試してみたい料理がある。そう思った時には、もう次に来る理由ができていた。

いまがわ食堂 川崎銀柳街店海鮮・魚介 / 京急川崎駅川崎駅八丁畷駅
昼総合点★★☆☆☆ 2.5

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