【閉店】「ボリューム」というすごい名前のお店に飛び込んでみた。虎ノ門 ボリューム
虎ノ門での生活も、とうとうあと二日。となればだ、せっかくだから未開の地に足を踏み入れようではないか。以前から看板が気になっていた「ボリューム」なる店に向かう。なんちゅう名前だ。
階段を降りていく途中で、「少食なのに大丈夫かオレ……」と一抹の不安が胸をよぎる。案の定、入口ではどこか時代がかった豚のキャラが迎えてくれる。昭和の残り香をこれでもかと放っていて、ちょっと安心する。
店内は昼どきで混み合っていたが、運良くテーブルに案内される。壁に貼られたメニューや、厨房からの湯気なんかをぼんやり眺めていると、昔お姉さんだったであろう現在のお姉さんが注文を取りに来る。
「生姜焼きで」とキメ打ち。なぜなら生姜焼きはボクの永遠の味方だからだ。他の客を見ると、やはり近隣のサラリーマンたちがメイン。女子もチラホラ。なかなか人気店のようだ。
結構待って、やっとこさ運ばれてきたボクの生姜焼き定食。エビフライまで付いてきて、あぁなるほど「ボリューム」ってそういうことか、と妙に納得。ところが食ってみると、肉が固い。ゴリッゴリに固い。顎がやたら疲れる。これはもはやトレーニングだ。
エビフライは、うん、あれだ。業務用のあの感じ。でもね、文句は言わん。ここはそういう場所なのだ。味がどうこうじゃない。昭和の空気の中に身を沈める、そんな空間なのだ。
ごちそうさま。店を出る頃には、なんかこう、胸の奥にモヤッとした何かが残った。美味かったかどうかは……まぁ置いといて、「来て良かった」と思える不思議な店だった。
味じゃない、雰囲気で喰わせる、そんな稀有な存在だ。これはネタになる。いや、旅の思い出になる。虎ノ門の片隅に、静かに爪痕を残す一軒であった
レストラン ボリューム (洋食 / 虎ノ門駅、虎ノ門ヒルズ駅、内幸町駅)
昼総合点★☆☆☆☆ 1.5



コメント
コメントを投稿