たまに食べたくなるジャンクな焼きスパ。虎ノ門 ロメスパ バルボアで青じそトマト
パスタという食べ物は、なぜか急に無性に食べたくなる瞬間がある。突然、頭の中で「パスタ食べろパスタ食べろ」と念仏のように鳴り響く。まるで宇宙からの電波を受信したみたいに。で、最近は家でばかりパスタを作っていて、外で食べることがめっきり減っていたのだが、今日はその電波がかなり強めだった。ビリビリきた。
しかし問題はある。ハングリータイガーだ。並ぶ。必ず並ぶ。もうね、あれは店じゃない。並ぶという儀式を強要する宗教施設かなんかだ。というわけで、信仰心が足りないボクは、ロメスパバルボアへと足を向けた。ここはね、ジャポネ式のパスタ、つまり“炒める”系。ジャンクで炭水化物に油と塩分と少しの背徳感をまぶして炒める、理性のカーボンコピー。
まだ早めの時間に行ったはずなのに、あら不思議、ほぼ満席。これはつまり、ボク以外にも「パスタ電波」を受信した者たちがここに吸い寄せられているということだ。もしかしたら、あの並ぶタイガー教の信者が脱走してきたのかもしれない。知らんけど。
券売機の前で立ち尽くす。ボクの指は自動的に「青じそトマト(普通盛り)」をポチる。もはや脊髄反射だ。ちなみにこれはタイガー教でいうところのバジリコに相当するのではないかと推測する。教義は違えど、香草に神を見出す点では似たようなもんだ。
奇跡的に空いていた席に滑り込む。お姉さんにチケットを手渡し、キッチンを眺めると、例のあれだ。茹でおきの極太スパゲッティがラードでジュウジュウと焼かれている。これがいい。この音がいい。この行為に哲学がある。数分後、ボクの目の前に湯気をまとったプレートが現れた。
うん、これこれ。焼きそば的な見た目なのに、味は間違いなくパスタ。アッツアツで紫蘇の香りがふわっとして、トマトの酸味がシャープに味を切り裂く。塩気もちょうど良く、食欲を駆動する内燃機関がボクの胃袋で唸りを上げる。タバスコを投入。赤い液体が料理に加速装置を取り付ける。うん、行ける。まだ行ける。
気づけば完食。ボクにしてはめずらしいほどの即落ちだった。350gがスルリと腹に収まった。これはつまり、次回は500gの大盛りでも戦えるかもしれないということだ。だが、油断してはいけない。ナポリタンの大盛りには前に返り討ちにあった記憶がある。あれは後半から塩分がテロを起こす。塩の暴動。あれの大盛りは、命と引き換えだ。
というわけで、次は明太子にしようと思う。明太子ならきっと大丈夫だ。たぶん。うん、うまかった。また来る。ロメスパバルボアは、ボクの胃袋に一時的な平和をもたらしたのだ。
ロメスパバルボア 虎ノ門店 (パスタ / 虎ノ門ヒルズ駅、虎ノ門駅、霞ケ関駅)
昼総合点★★☆☆☆ 2.5

コメント
コメントを投稿