散歩の途中で魁力屋のラーメン

今日はちょいと、写真でも撮りに行こうかと思い立って、三ツ池公園まで足をのばしたんですな。カメラをぶら下げて、空を仰いで、風を嗅いで、鳥たちの気配を探しながら、池のほとりをのそのそと歩く。ああ、この空気……いい。実にいい。

だが、いつものカワセミくんは、どうやら今日はお出かけ中のようでして、まったく姿を見せてくれませんでしたな。こういうときは無理に追わないのが流儀。自然とは、こちらの都合で動かすもんじゃありませんからなあ。

さて、そんなわけで一通りぐるっとまわっていたら、腹の虫が「ぐう」と鳴いたんです。これはいけない。腹が減っては観察もできぬ。というわけで、公園を抜けて、駒岡方面に足を向けたんです。

このあたりの幹線道路沿い、じつはラーメンの密林。いろんな個性派がひしめく、まるで野生動物のサバンナのようなものですな。その中で、今日は「魁力屋」に決めました。

ノートに名前を書くと、まもなく「○○さま〜」と呼ばれまして、すんなり着席。こういうとき、待たせないのは優秀なラーメン店のしるしです。

席に腰を落ち着けて、特製醤油ラーメンと生ビールを頼む。ビールが来るまでの間、過去の自分のブログを遡って「狩場店では味玉ラーメンを食べていたな」などと記憶を反芻していたところで──来ました、ラーメン!

おお、これは……このビジュアル、見ただけで唾液が条件反射で湧いてくる。スープをひと口、ずずずっと……背脂がぷかぷかと浮いておりますが、塩辛さは感じず、むしろ柔らかな甘みすらある。このスープ、実に動物的で、しかもどこか品のいい獣の香りがする。これは美味いですぞ!

麺は細く、歯ごたえしっかり。パツンと切れていくあの感覚、たまりませんな。チャーシューも実に見事でして、薄くスライスされたその一枚一枚が、まるで旨味の標本のよう。いや、むしろ生態標本です。脂と肉のバランス、それが口の中で解ける時間、すべてが計算された美味しさ。

ネギがまたいい。山盛りにされたそれをレンゲで掬い、スープとともにすすると……うむ、これぞ“生きている味”です。完飲必至。というか、完飲してしまいました(笑)。いや、歩いて汗をかいたあとの塩分補給として、これは自然科学的にも理にかなっている!

さあ、腹も満たされた。今度は帰り道、また何か面白い被写体と出会えるかもしれませんな。自然の中で、人と食と、そして動物のような感性で一日を遊ぶ──こういう日こそ、じつに豊かですぞ。

ではでは、「うまいぞう!」と言いながら、再び歩き出すことにしましょうか。

ラーメン 魁力屋 鶴見駒岡店ラーメン / 新綱島駅綱島駅
昼総合点★★☆☆☆ 2.5

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