【閉店】久々の有楽町マーブルでインドカレー
今日は久しぶりに出社だった。
在宅勤務にすっかり慣れてしまった僕にとって、会社のデスクや蛍光灯の光はどこか異国の風景のように感じられる。電車は混んでいたけれど、意外と嫌じゃなかった。むしろ、揺れに身をまかせてボーッとしているうちに、いろいろな考えが頭を横切っていった。ほとんどは取るに足らないものばかりだったけれど。
午前中はタスクをこなすことで精一杯で、気がつくと昼をだいぶ過ぎていた。
でもそれが功を奏した。というのも、会社近くのカレー屋「マーブル」にふらりと立ち寄ってみると、なんと待ち時間ゼロ。しかも広々としたテーブル席にすんなり通された。まるで小さな奇跡のようだ。
このご時世、カウンター席はひとつ置きに間引かれているけれど、それでもなんとなく密な感じがして落ち着かない。でも今日は違った。広いテーブルに座り、深く息を吸ってメニューも見ずに、いつものインドカレー(もちろんポーク)を注文した。
カレーはすぐにやってきた。やるべきことがちゃんとやってくる時の安心感というのは、なかなかいいものだ。
一口食べてみる。ああ、これだ、と僕は思う。少しだけ辛くて、どこか家庭的な香りのする日本式ポークカレー。キャベツの千切りと一緒に食べると、妙に相性がいい。福神漬けもたっぷり添えられていて、僕はそれを何度もスプーンに乗せては口に運んだ。
食べ進めるうちに、額からはじんわりと汗がにじみ、僕はハンカチで何度もそれを拭った。辛さに負けたわけじゃない。ただ、それがマーブルという店との、ちょっとした儀式のような気がしたのだ。
完食したあと、僕は少しだけ背もたれに身を預けて、店の天井を見上げた。
この先、次に出社するのがいつになるのかは分からない。だけどそのときもまた、僕はこの店に来るだろう。そしてまた、同じカレーを頼むだろう。たぶん福神漬けも、変わらず僕を待っていてくれるだろう。

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