ニュータンタンメンでニンニクを摂取して免疫力アップ!!・元祖ニュータンタンメン本舗 京町店

また松屋でシュクメルリが始まると聞いて、ぼくはいてもたってもいられなくなって近所の松屋に向かった。夏の終わりの湿った風が、Tシャツの背中に張りついてくる。シュクメルリというのは、鶏肉をニンニクの洪水で煮込んだジョージア料理で、ぼくの中のどこか「ニンニクに依存する魂」のようなものを、毎年この時期になると騒がせるのだ。

店に入って券売機の前に立ち、無意識のうちに「シュ」のキーを目で追っていた。けれど、ない。どこにもない。どうやら明日からだったらしい。なんてこった、とぼくは心の中で呟く。すでに口の中にはニンニクの幻影が広がっていた。口の中の先行予約が済んでいたわけだ。

仕方がないので、近くのニュータンタンメンに向かう。こういうときのために、街には「代打」みたいなラーメン屋が必要だと思う。平日の午後、店内は静かで、空席がいくつも目に入った。めちゃ辛で注文。前に中辛を頼んだら、子猫のひっかき傷みたいな辛さだったので、今日は少し攻めることにした。

カウンターには透明の仕切りが等間隔に並び、まるで社会の境界線を物理的に可視化したかのようだった。しばらくして、ぼくのタンタンメンがやってきた。どんぶりの表面は、まるで唐辛子の雪崩に巻き込まれたように真っ赤だった。

レンゲでそっとスープをすくい、唇をすぼめて啜る。あちち、と舌の奥が軽く火傷する。けれど美味い。心地よくて、どこか不器用な辛さだ。唐辛子の種が、たまに歯に当たるのが玉にキズだが、それもまた味の一部なのだろう。

次に、麺を一気に啜る。スープがしっかり絡んで、胃の奥がぽっと赤く灯るような感覚。実のところ、麺はどうでもよくて、このスープと白ごはんだけで良いのでは、という考えがふと頭をよぎる。でもまあ、今日のところは麺に敬意を表して、きちんと最後まで付き合った。

食べ終わると、ぼくはしばらく席に座ったまま、鼻の奥に残るニンニクと唐辛子の香りを反芻していた。今、ぼくはきっと恐ろしくニンニク臭い。でもそれでいい。明日こそシュクメルリに会えるのだから。

元祖ニュータンタンメン本舗 京町店中華料理 / 川崎新町駅八丁畷駅鶴見市場駅
昼総合点★★☆☆☆ 2.5

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