鶴見市場 米家きゅうさん 佐々木店 で 鮭おにぎりとアサリおにぎり

昨年末、フラれたおにぎり屋の前を通りかかったとき、ひとりの人影が店先に立っているのが見えた。「あ、やってる」。その瞬間、身体が勝手に方向転換していた。おにぎり屋さんって、なんだか人の心をそそるのだ。特に、前からちょっと気になっていた店となればなおさらだ。

どうやらここ、お米屋さんが併設されているらしく、つまりは米が間違いない。おにぎりの主役は米である。具がなんであれ、米が美味けりゃ全体が許される。逆もまたしかり。

ショーケースを覗き込むと、ズラリと並んだおにぎりたちがこちらを見ている。あれもこれも手に取りたくなるが、胃袋には限りがある。ということで今回は「サケ」と「アサリ」を選択。「生姜」も気になったが、これはまた次回の楽しみということにしておく。

家に戻り、具材にふさわしい味噌汁を即席でこしらえ、さぁいただきます。

まずはサケ。見た目からして具がみっしり詰まっている。

ひと口頬張ると、しっとり粘り気のあるご飯に、塩気の効いた鮭の身がじんわりと馴染んでくる。うまい。なんというか、よくある「硬めで汁物必須」タイプのおにぎりとは違う。これは単独で完結している。味噌汁がいらないと言ってるわけじゃない。むしろ、味噌汁を拒まない。そういう懐の深さがある。

ぺろりと平らげ、次にアサリ。こちらは甘辛く炊かれたアサリに、ほのかに香る山椒が乗っている。

これがまた、いい仕事しているのだ。山椒ってやつは、主張しすぎると鬱陶しいが、控えめだと心をくすぐる。しかも具がたっぷり。アサリは小さくても量が多ければ説得力がある。説得力というか、もう押し切られる。

あっという間に完食。満足満腹。おにぎりって、結局のところ「包まれた小宇宙」なんだなと改めて思う。そしてその小宇宙は米によって成立している。

まだ他にも具があるらしい。生姜も気になるし、昆布とか、ツナマヨとか、夢は広がる。ああ、また行かねばなるまい。この店は、そういう引力を持っている。

米家きゅうさん 佐々木店おにぎり / 鶴見市場駅八丁畷駅
テイクアウト総合点-

コメント