【閉店】鶴見 麺家蔦重(つたじゅう)で家系ラーメン
さて、ラーメンにフラれること三たび。ボクのラーメン運は一体どうなっているんだろうか。先日は満席で断念し、今度こそと時間をずらして出かけたのに「本日休業」の札がぺたりと貼ってある。なんでだ(笑)。ボクがなにか悪いことしたか?
仕方がないので予定を急遽変更して、近くにある家系ラーメンの「蔦重(つたじゅう)」という店に行くことにする。たしか前は「桜花」って名前だった気がするんだけど、いつの間に変わったんだろう。まぁラーメン屋の看板なんてのは、気がつけばあれよあれよという間に変わるものである。
お店に入ると、ちょうどテレビの前のカウンター席が空いていたのでそこにズズイと陣取る。注文はシンプルに、普通のラーメンを「普通」で。最近は「麺の硬さ、味の濃さ、脂の量を選べます」なんて言われるが、そういうのは全部普通に限る。なにごとも中庸が一番なのだ。
厨房をチラチラと眺めていたら、チャーシューを魚焼きグリルで炙っているではないか。これはちょっと期待が持てる。ラーメンの味はチャーシューで決まる、というのがボクの持論である。
さて、あまり待たずにラーメンがやって来た。湯気がもう、いい香りでお鼻の穴がパッカーンと開いてしまう。
スープを一口すすると…おおっ!しょっぱくない!家系ラーメンってのは大抵しょっぱさが前に出てきて、塩分で脳天を直撃されるようなパンチがあるんだけど、ここのは実にまろやか。じんわりと舌に染みてくる優しい味。これ、母性を感じるスープだね。
麺を手繰ると、軽いウェーブのかかったプリプリの中太麺。「菅野製麺所」ってところの麺らしい。正直、聞いたことないけど美味いものは美味いんだからいいじゃないか。
チャーシューもいい。炙った香ばしさが鼻腔をくすぐり、適度な厚みがあって食べ応えもバッチリ。もう夢中でズルズルすすって、気づけばスープまで完飲してしまっていた。家系でスープ完飲なんて、なかなか無いんだから。
こりゃ、また来ることになるだろうな。次はチャーシュー麺にして、チャーシューに溺れてみたい。
ちなみに「蔦重」というのは、江戸時代の出版人・蔦屋重三郎のあだ名らしい。浮世絵を世に出した仕掛け人で、あの「TSUTAYA」の元ネタにもなったとか。ラーメン食って歴史にもちょっと触れられるなんて、なんだか一粒で二度おいしい気分だ。

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