豚汁定食を頼んだらヒレカツが付いてくる話。新橋かつやで豚汁定食

さて、寒風吹きすさぶ昼どき、なんだか腹の底から温まりたくなってきた。こういう時こそ、汁物である。温かい、湯気の立った、味噌と出汁の効いた汁物だ。銀座一丁目の岩戸で豚汁定食といきたいところだが、日比谷からだと微妙に距離がある。うん、もうちょっと時間に余裕がある時にしよう。今日は即効性を求めて、新橋のかつやへ。

もう店に入る前から決めていた。豚汁定食一択だ。券売機も何も見ず、一直線にカウンターに向かって着席。発注。店内は今どきらしく透明のアクリル板で仕切られている。コロナ禍の名残というか、もはや風景の一部である。奥のテーブル席は封鎖されているが、客の入りはまずまず。ピーク時は外に行列ができていたことを思えば、ちょっと寂しい。

で、なかなか来ない。ボクの豚汁定食。うん、わかってる。理由はひとつ。ヒレカツである。これが揚げ置きされていないことが多い。ロースカツばかり出るので、ヒレカツはオーダーが入ってから揚げる。だから時間がかかる。だがそれがいい。

ほどなくして登場。

湯気をまとった豚汁、そしてヒレカツ2枚。これが「豚汁定食」だ。ヒレカツ定食との違いは、豚汁がでかくて、ヒレカツが1枚少ないこと。それだけ。でもその1枚の差が、今のボクの腹具合にはちょうどいい。

さっそく豚汁をひと口。熱い、うまい、沁みる! これぞ味噌と豚と根菜たちの共演。ヒレカツもザクっとひと噛み。揚げたての衣が口内でサクサクと音を立てる。アツアツとアツアツを交互に流し込みながら、ボクはただ黙々と咀嚼する。これはもう、ある種の儀式である。食う、噛む、飲む、うなる。

完食。ああ、満腹。午後も元気に働けそうだ。外に出ると風は相変わらず冷たいが、腹の中には小さな焚火がともったようにあたたかい。よし、生きていこう。

かつや 新橋店とんかつ / 新橋駅内幸町駅汐留駅
昼総合点★★☆☆☆ 2.5

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