有楽町ガード下のおしゃれな王将。GYOZA OHSHOで餃子定食
フォーラムの横のガード下が改装されて、餃子の王将ができた。ガード下という言葉には、もう少し油と煤けたイメージがつきまとうのだけれど、そこに入った王将はまるでそれを否定するように、こざっぱりとした内装で迎えてくる。どこか、若干の場違い感すらある。店は最近の“コンセプト型”王将というやつで、つまり昔ながらのギトギトした情景を期待して行くと少しだけ裏切られる、そんな場所だ。
川崎の店舗にも行ったことがある。内装が似ていて、メニューも微妙に違っているようだった。でもそれは“ほくろの位置が左右で違う”くらいの違いで、大枠の味や匂いが変わるわけではない。ルーローハンセットという誘惑的な言葉に心が少し揺れたけれど、今日は餃子定食。しかも、腹が空いていたのでご飯は大盛りにした。欲望はいつもシンプルだ。
テーブル席は二人用が並び、その間には透明なスクリーンがぴたりと立てられている。まるで過去の記憶と今の現実の間に一枚の仕切りを置いたような光景だった。店内は落ち着いた色調で、ビールサーバーのタップが銀色に光っていた。その輝きに少しだけ胸がざわつく。僕はまだ昼だったし、仕事中だったので、その誘惑は見なかったことにした。
やがて餃子定食が運ばれてきた。
整った配置に、思わず「久しぶり」と心の中でつぶやく。皮はパリッとしていて、中はじゅわっとしていた。味は、王将らしさがありながらも、どこか都会的な洗練が加わっていた。新橋で食べる王将より、少しだけ丁寧で、少しだけ物静かだ。
大盛りご飯を頼んだことを途中で少しだけ後悔した。僕はもう若くない。最後のひと口をかきこんだとき、ほんの一瞬、目からご飯が出そうな感覚に襲われた(比喩としてではなく、かなり現実的に)。でも、そこにデザートが添えられていた。杏仁豆腐だった。スプーンを入れると、かすかな抵抗のあとに、冷たく甘い柔らかさが口に広がった。
オシャレすぎる店内は、少し僕をそわそわさせたけれど、それも含めて今日の体験だった。次はルーローハンにしてみよう、と心にメモを残して店を出た。空は少し曇っていて、ガード下にしては珍しく風が通っていた。
ギョウザ オウショウ 有楽町国際フォーラム口店 (中華料理 / 有楽町駅、銀座一丁目駅、日比谷駅)
昼総合点★★☆☆☆ 2.5

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