新橋 紅とんで唐揚げ定食
うーむ、腹が減らん。
まるで胃袋がストライキでも起こしたかのようだ。だがこのまま何も食わずにいると、ボクは干からびて死んでしまう。そんな漫画のような最期はイヤなので、せめて好きなもので騙してみようと、紅とんの暖簾をくぐった。
入ってすぐ「ピッ」と検温。まぁ慣れたもんだが、ちょっとした入国審査気分である。店内には人影まばら。3人しかいない。静かすぎて、くしゃみひとつも罪になりそうな空気感。
唐揚げ定食を頼んで、しばしぼんやり待つ。ふと気づくと、店内にはボクひとり。貸し切り状態だ。まるで映画の撮影セットみたいな非現実感の中、ついに唐揚げがやってきた。
おいおい、みかんかよ、これは。
そんなサイズの唐揚げがゴロゴロ6個…いや、7個あるぞ。しかも脇にポテサラまで鎮座してやがる。誠に迷惑…いや、ありがたい。ありがたいけど、ちょっとだけ迷惑(笑)。
しかしボクは戦った。白いご飯と味噌汁には目もくれず、ただ唐揚げとだけ静かに対話した。
「君は、脂と衣の塊だけど、嫌いじゃないよ」
…なんとか完食。
腹をさすりながら店を出て、オープンしたばかりのOKUROJIをフラフラと流す。ファイントラックの直営店なんてものが出来ていて、つい足を止めてしまった。手に取ると、ああ、山の匂いがする。
どっかでテント張りたいなぁ。
焚き火して、ラジオ鳴らして、唐揚げのない夜を過ごしてみたい。
紅とん 新橋一丁目店 (もつ焼き / 新橋駅、内幸町駅、汐留駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.0


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