【閉店】銀座インズ 魚や(さかなや)でブリ照り

最近、魚を食べていないことにふと気づいた。別に深い理由があるわけじゃない。ただ、なんとなく身体が魚を欲している感じがしたのだ。冬の終わりの街を歩いていると、そういう小さな欲求がふと浮かんでは消える。

とはいえ、この時期はどこも閉まっていたり、変に混んでいたりする。だから僕は潰しのきく銀座インズに向かうことにした。こういうとき、モールという選択肢は案外まちがっていない。

インズに来たら、だいたい「魚や」に寄るのが習慣みたいになっている。扉を開けると、ちゃんと営業していた。ホッとする。空いている席に腰を下ろして、ブリ照りースピアーズ──いや、ブリの照り焼き定食を注文する。

おー、これこれ。こういう普通の、何の変哲もない日本の定食がたまらなく恋しくなるときがある。

ブリの脂がほろりと口の中でほどけて、ご飯が進む。味噌汁も、漬物も、ただそこにあってくれるだけでありがたい。

今年の有楽町ランチは、どうやらこれで締めくくりになりそうだ。また来年、同じようにふらりとこの店に立ち寄るのだろう。そういう予感がする。予感というのは、たいていの場合、静かで控えめなものだ。そして僕は、そういう予感をけっこう大事にしている。

魚や 銀座店海鮮・魚介 / 有楽町駅銀座一丁目駅銀座駅
昼総合点★★☆☆☆ 2.5

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