【閉店】焼肉を食べるときはケチっちゃだめ。六本木 上焼肉 漢陽

六本木の交差点。
午後の日差しが、あたりをぼんやり照らしている。
今日はランチームの有志で焼肉へ行く約束だ。
メンバーの一人が言うには、店長さんと顔なじみで、何度も来ているらしい。

その焼肉屋が、どうやらこのビルの上の階にあるようなのだけれど――

見上げてみても、入り口がない。階段を登ってみた。
違う。これは違う店だ。
それでもう一度、エレベーターで上へ。
だが案内板もなければ、店名も書いていない。
まるで、ここが本当に現実なのかどうか、自信が持てなくなる。

3階。扉が開く。
何もない廊下に出ると、そこにただ階段があるだけだった。
このビルじゃないのか? そう思って左を見たら――
あった。静かに、当たり前のように、入り口が。

わかりづらい。けれど、きっとそういう場所なのだ。

中に入ると、どうやら一番乗り。
しばらくしてメンバーが集まり、「とりビー」の声。
このあたりから期待が、少しずつ膨らんでいく。

まずはタン。

しっとりとした厚みと、塩の加減が絶妙で、口に入れるとすぐ、

「ああ、今日は当たりだ」と思った。

タタキが来た。

これは…美味い。

説明は野暮というものかもしれないけれど、
それでも言葉にしたくなるような旨味が、そこにあった。

カルビ。
これはもう、芸術。

サシの入り方が、まるで誰かの意志のように美しくて、

焼くのがもったいないくらいだった。

カイノミ、ミスジ――
写真を撮り忘れた。
でも友人のスマホに、ちゃんと記録されていたから大丈夫だ。

たぶんサーロイン。

ステーキみたいな分厚さに、少し笑ってしまう。

だけど、もうこの辺で、ボクの満腹中枢が、
静かに、でも確実に、ブレーキをかけていた。

リブロース(だと思う)。

もうすでに、満たされすぎていて、味の記憶が曖昧になり始めている。

最後はホルモン盛り合わせ。

特に上ミノが良かった。歯ごたえの中にある甘みが、ちょっと反則だ。

美味かった。本当に。
でも、もっと楽しむためには――
もう少し、ボクの胃が、大きければよかったのにな。

また来よう。胃を鍛えて。
焼肉のために。

漢陽焼肉 / 六本木駅六本木一丁目駅乃木坂駅
夜総合点★★★☆☆ 3.0

コメント