【閉店】鶏の炭火焼グリル・ガーリックトマト風味。ベニバル 新橋店
最近、ランチはもっぱら手作りの弁当で済ませていた。静かに、確実に、自分と向き合う時間でもあるのだけれど──その分、外の世界との接点は減ってしまった。
だからこそ、今日は自分に許しを与える日。偶然を装って、新橋方面へと足を向けた。
ガード下、薄暗い通りの一角にひっそりと佇む店が目に入る。どこか未踏の香りがする洋食屋。名も知らぬその扉に、直感だけで手をかける。
ランチメニューに目を通す。ハンバーグ、ステーキ、チキン──選び放題の肉の饗宴。選択に迷いながらも、最終的に僕の本能が囁いた。「鶏肉だ」と。グリルチキンを選ぶ。
カウンター脇のスープポットに手を伸ばしたとき、ふと店名に「ベニバル」とあることに気づく。そうか、「紅とん」系列か……なるほど、ガード下の覇権を握りつつあるわけだ。
運ばれてきたグリルチキンは、まるで舞台の主役のような存在感。
炭火で炙られた皮目が美しい。ナイフを入れると、香ばしさの中に潜むジューシーな身が覗く。
そして、ガーリックトマトソース……まるで運命を知っていたかのような相性。ソースがチキンを纏い、口の中で静かに爆ぜる。
フレンチフライも侮れない。脇役にして、しっかりと物語を支えている。
食後、会計を済ませてふと厨房に視線を送る。鉄の網の上で、ハンバーグが静かに炎と対話していた。
その姿に、次なる予感が芽生える──次は、君に会いに来よう。
演目はまだ、終わっていない。
炭火焼ベニバル 新橋一丁目店 (ダイニングバー / 新橋駅、内幸町駅、汐留駅)
昼総合点★★☆☆☆ 2.5

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