【閉店]とんかつ和幸 で ロースかつ(和幸御飯)

まるで夢の中で誰かがスイッチを押したように、突然、肉を喰らう衝動にとらわれた午後。

そのスイッチがどこにあったのかは知らないが、とにかくワシワシと、モリモリと、

あの「食べる」という行為に全てを委ねたくなったのだった。

というわけで、足は自然ととんかつ和幸へ向かう。

昔は持ち帰りの弁当ばかりだったけれど、今日は違う。今日は…生でいきたい気分。

メニューを眺める。

「和幸御飯」──ロースカツ定食がこんな風流な名前を纏っているとは。

迷いなくそれを選び、大根おろしを添える。

「なんとなく」ってのがポイントなんだよね。人生、そういう時が一番美味しい。

店内には女性の姿もちらほら。

銀座ファイブっていう場所の空気が、そうさせるのだろうか。

そんなことを考えているうちに、やって来た。僕のとんかつ。

まずは調味料なしでひとくち──

あぁ、脂の旨みがそのまま舌に届いて、心がトロける。

次は、大根おろしに出汁醤油。

この組み合わせ、まるで朝の雨あがりのように清々しい。

御飯の炊き加減も、まさに絶妙。

こういうのを「モリモリ食べる」って言うんだな。

気づけばおかわりを頼んでいた。

肉、御飯、キャベツ。

肉、御飯、キャベツ。

このループに酔いしれながら、僕はひとつの幸福の形を見た気がした。

…キャベツのおかわりは、まぁ、また今度でいいや。

満腹。満足。

午後はきっと、少し夢を見るだろう。とんかつの香りのする夢を。

とんかつ和幸 銀座ファイブ店とんかつ / 銀座駅有楽町駅日比谷駅
昼総合点★★☆☆☆ 2.5

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