一蘭で豚骨ラーメン。川崎 一蘭
川崎での用事をちゃっちゃと済ませて、さて昼飯はどうするかと考える。最近は食欲が前ほど湧かなくて、気合いを入れないとメシを食べ損ねる。で、あまり興味はなかったんだが、あの「味集中カウンター」ってやつを一度経験しておくのも悪くないなと思い、一蘭に向かった。
一蘭は前から噂には聞いていた。値段がちょいとお高いし、あのカウンターの仕組みもなんだか演出じみていて、正統派ラーメン屋の匂いがしない。だから今まで敬遠していたのだが、どうも最近は外国人観光客が「日本に来たら一蘭」みたいなノリで押し寄せているらしい。日本人として一度は行っておかないと、話題についていけないじゃないか。これはまあ、勉強だ。
店に入って券売機でラーメンをポチっと選ぶ。中に入ると、やけに暗い。足元が見えづらくて、ドンとかガーンとか椅子や仕切りにぶつかりながら席につく。もっと足元を明るくしてくれてもいいだろうに。で、麺の硬さだのスープの濃さだのを紙に書く。初めてなので全部ノーマルでいく。紙を渡してから待つが、カウンターの仕切りで周りが見えない。ラーメン屋ってのは湯気の立ち上る厨房や、鍋を振るう兄ちゃんの姿が見えたほうが気分が盛り上がるんだがな。待ってる時間がどうにも手持ち無沙汰だ。
やがてラーメンがスッと出てきた。
いただきます。おお、これは豚骨がちゃんと濃い。シャバシャバじゃなくて骨の旨みがしっかり出ている。麺もパキッと歯切れよくて悪くない。いわゆる博多ラーメンをひとつ格上げした感じだ。値段を考えれば納得のクオリティ。なるほど、これが一蘭か。
「味集中カウンター」とか言われると、飲み会用途にはまずならんし、値段的にも頻繁には来ないだろう。でも人は結構入っていたし、外国人観光客もあちこちにいた。こういうのはもう「ブランド戦略」なんだな。「あそこ行った?」って話のタネにされる店。味はちゃんとしている。材料にも金をかけているのがわかる。ただそれ以上に、雰囲気や仕組みを「食べさせる演出」として成立させている。いやー、これはこれで面白い。勉強になる。

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