【閉店】ラーメンシンフォニー 中華そば いちや で 中華そば

川崎で用事があり、ちょうどランチ時間帯にそれが終わった。さて、会社に戻る前に何か食べるかと周辺をうろうろしてみるが、どうもいまひとつ気分が乗らない。じつを言うと、ここんところ食欲というやつがぱったり落ちていて、胃袋のほうもどうやらちぢこまってしまっている。あの強靭だったボクの胃が、である。

まあしかし、何も食べないと力が出ないし、午後にデスクで電池切れみたいになってもつまらない。そういうときは、さっぱりしたラーメンでもすすっておけばなんとかなるだろうと、足が勝手に川崎アトレ地下の「ラーメンシンフォニー」へと向かっていた。

ラーメンシンフォニーは、その名に反して妙に静かだった。お昼時というのに、客がまばらで、これ大丈夫かとちょっと不安になる。平日はこんなものか?いやいや、それにしても静かすぎる。そろそろ全体を総入れ替えして、派手にリニューアルとかしないとまずいんじゃないかと思ったりもする。

それでも、なんつッ亭にはそれなりに人が入っている。さすがの看板力。でも今日はこってり豚骨はムリだ。身体が拒否する。大山(たいざん)も魅力的ではあるが、やはり今日はそういう日じゃない。百菜でタンメンもいいな。キープだ。とりあえず一周まわって様子を見る。

未食の「いちや」のメニューに目をやると、そこにはなんとも味わい深そうな「中華そば」の文字。昔ながらの、という枕詞がつくその響きにグッとくる。これはいい。これだ。今日はこれでいこうと券売機に千円札を突っ込み、勢いで「中華そば」のボタンを押す。

店内は静かで、客はボクのほかに三人ほど。カウンターに陣取ってしばし待つ。ほどなくして中華そばが到着。

これがもう、見るからに正統派で、丼から立ちのぼる湯気がなんとも言えず懐かしい。澄んだスープの表面にうっすら油が浮かび、真ん中にぽつんと乗ったなると。チャーシューがペラいのも逆にグッとくる。これは町のラーメン屋の香りだ。

レンゲですくってひとくち。おお…沁みる。じわりと広がる出汁のうま味。胃袋がそっと目を覚ますのがわかる。そうそう、こういうのを求めてたんだよ、オレの身体が。

麺は中細のちぢれ。ちゅるんと口に飛び込んできて、つるつると喉をすべっていく。合間にスープをすすりながら、黙々と食べる。そうしているうちに、なんだか身体全体に電源が入りなおしていくような感覚になる。

チャーシューを最後に頬張って、ふぅ、とひと息。気づけばスープまで飲み干してしまっていた。食欲がないとか言ってたのに、なんだかんだで完食だ。ああ、うまかった。まいったな、ラーメンってやつは。

店を出ると、午後の川崎の空は薄曇り。風がちょっとだけ涼しい。腹もほどよく膨れたし、よし、会社戻るか。少しだけ遠回りして。いや、ほんのちょっとだけだよ。

中華そば いちや 川崎店ラーメン / 川崎駅京急川崎駅八丁畷駅

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